新年明けましておめでとうございます。 昨今、サブプライムローン問題や原油価格高騰といった経済的な問題に加え、地球温暖化の影響という環境問題も、世界各地で目に見える形で深刻化しています。 これらの諸問題は正に我々が地球的規模の問題を突きつけられていると言っても過言ではありません。 それでは我々が身を置く自動車業界への影響はどうでしょうか。 まず、世界中で、クルマの小型車志向や、省エネ化のトレンドがますます加速されてきたということです。 |
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日本に目を転じてみれば、カーナビゲーション市場拡大の中で、標準装着が減少し、その分オプション装着市場が拡大するような状況が続いています。当社はこのチャンスにAVナビゲーションの商品力を生かし大きな売上と利益を享受しています。北米は、サブプライムローンに端を発した景気への悪影響の拡大やガソリン価格の高騰、更にはBIG3の販売不振等々、残念ながら北米自動車産業は決して楽観できる状況ではないと言わざるを得ません。一方、欧州・アジア地域は順調な一年でありました。
自動車各社は、BRICSを中心とした新興国での成長を目指しており、当社では今後もロシアを中心にマーケットの拡大が期待できると思っています。
さて、ご存知の通り2007年、当社は日立グループに入り、新たに生まれ変わり、大きく変貌、そして力強く羽ばたき始めました。さらに、ザナヴィ・インフォマティクスが、クラリオングループの一員となりました。そして、さいたま新都心に10階建ての本社事務所・技術センター(通称:C1ビルディング)を建設しました。
すなわち名実共に、新たな時代で飛躍できる企業集団へと進化したのです。
冒頭で、クルマ環境の変化として地球規模の環境対策に触れましたが、この省エネ化のニーズは、クルマのエンジンや構造を根底から変えてしまうたいへん大きな変革を必要とし、効率追求のためのネットワーク化、IT化、デジタル化も飛躍的に発展させていかなければなりません。
我々はこのような厳しい環境対応を、当社のビジネスチャンスを飛躍的に拡大するための大きなチャンスとしてとらえ、そのためにアライアンスを強化し、開発拠点を整備しました。
昨年はこの準備期間として、将来の事業構造のファンダメンタルとなる「事業スケール」「財務戦略」「事業化計画」の策定に努める、"Be Number One(BN1)"活動を推進してきました。
今年は、各機能を組織化し、実務活動として推進していきます。2010年の当社の企業ビジョンVision70の達成は、クラリオングループ1万人の全社員の手に掛かっています。
全社員が、Vision70の目的を今一度心に刻み込むことで、クラリオンを「業界一」「日本一」「世界一」の会社にしていきたいと考えています。
そしてVision70達成に向けて最も重要なこと、それは正に「製品」です。過去の当社から脱皮した、より先端のハード・ソフト共に追求した製品、そして車の機能として「安全」、「安心」に直結する製品の開発。これらをいち早く市場に導入する事です。もちろん「品質」、「コスト」の追求は今迄以上に進めていかなければならないのは言うまでもありませんが、我々が将来の柱にする製品のコアをしっかり再認識し、前向きに、力強く、スピーディ-に進んでいくことが大切です。
最後に、私の信念は常に高い目標を掲げ、その達成に向け日々努力を続ける事です。世の中に、「遅過ぎる」とか「間に合わない」という事はありません。今年は、ねずみ年です。多産のシンボルであるねずみにちなんで、我々クラリオングループも、新しく価値あるものをたくさん生み出す年にして行きたい、と強く思っています。
2008年は新たな飛躍の年です。クラリオングループ全社員一丸となって、クラリオンを存在感のある、そして世の中に無くてはならない会社にしていきたいと思います。
2008年1月7日
クラリオン株式会社
取締役社長 泉 龍彦